Amazon販売セラーが併売しないと抱える5つのリスクと対策
目次
はじめに
Amazonで売上利益があがった後に抱える5つのリスク
1.アカウント停止の保留金リスク
2.Amazonでの取扱い商品が減ってくる
3.ライバルに利益商品がすぐバレる(価格競争→利益率が上がらない)
4.「引当金」「留保金」で資金繰りが苦しい
5.リピート客を得にくい
5つのリスクへの対策
サブアカウントの準備
余剰資金の準備
販路を広げる(併売)
併売先にはどんな販路があるか?
2つ目として選ぶお勧め販路は?
Yahoo!ショッピングを2つ目の販路として選ぶ理由
併売のメリット
併売のデメリット
併売のデメリットへの対策
デメリットへの対策①:外注化・スタッフ化
デメリットへの対策②:併売ツール利用
併売ツール・一元管理システムの種類とポジション
Amazonセラーが初めての併売で必要とするもの
各レベル別のお勧め併売ツール
この記事はこんな人に役立ちます
- 月商100万円を超えている人
- アカウント停止での保留金リスクを下げたい人
- 資金繰りを良くしたい人(お金が増える)
はじめに
この記事ではAmazon販売でのリスクについて触れていますが
Amazon販売自体を否定するものではありません
数年前に比べるとAmazonの規約も厳しくなり
販売者にとって不利な変更もありますが
副業でも専業でもFBAの仕組みや
圧倒的な集客力の恩恵を受けて販売できるので
「敵視」ではなく、正しいリスク管理を行っての
「共存」をしてビジネスを維持向上させて頂くために
お役立て頂ければと思います!
Amazonで売上利益があがった後に抱える5つのリスク
ここでは、Amazonで売上利益を上げていくと
抱える5つのリスクについて説明していきます
- アカウント停止の保留金リスク
- Amazonでの取扱い商品が減ってくる
- ライバルに利益商品がすぐバレる(価格競争→利益率が上がらない)
- 「引当金」「留保金」で資金繰りが苦しい
- リピート客を得にくい
1.アカウント停止の保留金リスク
Amazonの出品者アカウントが停止・閉鎖された場合の
保留金リスクは有名どころではありますが
影響が大きな項目なので解説していきます
通常時だと「商品の仕入れ」を「クレジットカード」を
利用して購入することで「支払いを先送り」できます。
そのため、「支払い日(引落日)」までに
Amazonで商品を販売して「売上金」として
口座にお金が入金すれば、売上金から仕入れ代金を
支払うことができるので資金ショートしません。
ですが、Amazonアカウント停止を受けると
この売上金が「90日間」保留(ロック)されて
指定口座に入金されない事になります。
そうなると、先にクレジットカードで購入した
商品代金の支払いが間に合わなくなり
「口座残高<仕入金額」の場合は
資金ショートしてしまいゲームオーバーです。
これが「アカウント停止の保留金リスク」になります。
Amazonの売上金の留保に関する
ポリシーの詳細はこちら
2.Amazonでの取扱い商品が減ってくる
ここでの取り扱い商品が減ってくるというのは
Amazonの商品カタログが削除されるという意味です
Amazonの商品カタログは
- 法律の改正
- メーカからの申し立て
- Amazon側の理由(ブラックボックス)
などによって突然削除される事があります。
「ホットプレート」「トースター」「ガスストーブ」「ドライヤー」など
カテゴリ単位で大量のカタログが
削除されたのは記憶に新しいですね( ;∀;)
折角苦労してリサーチして「売れる商品リスト」が
溜まってきてもドンドン削除されていくと
正直辛いところがありますね
3.ライバルに利益商品がすぐバレる(価格競争→利益率が上がらない)
これはAmazon販売のメリットと表裏一体なので
致し方ない部分ではありますが、、
Amazonで商品を販売する時に
「いつ」「なにが」「いくらで売れた」か
など事前に調査するツール「Keepa」で売れ行きがわかるのは
Amazonの販売構造が「カタログ型」になっていて
同一商品の場合は1つのカタログに複数の出品者が
商品を出品していきます。
そのため、ライバルに出品商品情報から
ストアフロントの出品商品一覧を
確認されることで「取扱い商品」と
「その商品の売れ行き」がすぐにわかってしまいます。
そうなると苦労して見つけた高利益商品も
ライバルにバレる事で価格競争がおきてしまいます。
4.「引当金」「留保金」で資金繰りが苦しい
「引当金」「保留金」は資金繰りにとって
本当に切実なテーマです
5年以上前にAmazonアカウントを作って運営している方は
この影響を受けていませんが、ここ数年でアカウント作成を
された方は「引当金」「保留金」の影響を受けています。
通常だと商品を売って入った売上金が
2週間に1回Amazonから振り込まれるのですが
返品を受ける可能性があるので
直近1週間分の売上を保留(ロック)され
売上金が100%入金されないという仕組です。
これによって、仕入れ金額の支払い期日までに
必要な売上金が足りなくなるなど
資金繰りを圧迫してしまいます。
これは売上金額が大きくなるほど影響が大きくなるため
Amazon販売で月商100万円を超えてきたら
資金繰りに対するリスクヘッジも行っていく必要があります。
5.リピート客を得にくい
Amazon販売だとAmazonのカタログが表にいて
お客様はAmazonから購入しているという認識です
また、Amazonは顧客のメールアドレスなどの
連絡先を知ることができませんし外部誘導も禁止しています。
そのため、自分のお得意様(顧客リスト)を得る事が困難です。
それに比べて「Yahoo!ショッピング」や「楽天」は
「ストア」が全面に出ており、メールアドレスやLINEも
取得することができるためお得意様ができたり
プッシュ型営業を行うことが可能になります。
5つのリスクへの対策
ここまで説明してきた5つのリスクに
対する対策も併せて解説していきます
対策としては大きく3つあり
- サブアカウントの準備
- 余剰資金の準備
- 販路を広げる(併売)
となります。
「Amazonアカウント停止の保留金リスク」に対しては
「サブアカウントの作成」と「余剰資金の準備」になり
その他の4つのリスクは「販路を広げる(併売)」が対策となります。
それぞれ説明していきますね。
サブアカウントの準備
まず、サブアカウントの準備ですが
これは今運営しているアカウントが停止した時のための
バックアップになります。
先の説明でAmazonのアカウントが停止すると
売上金を90日間保留(ロック)されます。
その時の仕入れ資金の支払いに間に合わせるために
在庫商品を販売して資金を作る必要があります。
また、一時的に凌いだ後に売上利益を
継続して得ようと思った時にも新しいアカウントが必要になります。
この2つの理由からサブアカウントが
すぐに作れるように準備をしておく必要があります。
ただ、作成時の注意点として2つの
アカウント情報が紐づかないようにする必要があります。
紐づき停止を防ぐために
変えるべき9つの項目
- 店舗名
- 担当者名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 銀行口座
- クレジットカード
- パソコン・IPアドレス
- ブラウザ
つまり全くの別人として
Amazonが認識するようにして
アカウント作成を行う事が重要です。
また、最近は同一人物の複数アカウント作成対策として
Amazonがzoom面談を行っていますので
知人・友人・親族など実体のある人に
事情を説明して作成に協力してもらう事が重要になります。
保険としての考えで先に作成しておく人もいますが
大口出品の場合、月5000円かかるので
友人・親族など協力者の了解を得ておければ
ひとまず大丈夫です。
余剰資金の準備
もしもの時に備えて余剰資金(貯金)を
準備しておくのはとても大切です
Amazonのアカウント停止だけでなく
所得税を払った直後の予定納税など
課税事業者であれば消費税もあり
まとまったキャッシュが出ていきます。
なので年間の支払い予測もしながら
余剰資金を蓄えていきましょう。
目安としては「月商の1.5カ月分」を目標に
「月商の3ヵ月分」あればさらに安心です。
余剰金の作り方としては
- 利益を浪費せず貯めておく
- 融資を受ける(守りの融資)
があります。
それまでの間は「助け合える仲間を作る」など
「共済」の考え方でリスクヘッジをするのも1つの手です。
販路を広げる(併売)
最後に「販路を広げる(併売)」についてです
ここでの併売とはAmazonFBAに出品して販売しながら
同じ商品を他販路(Yahoo!や楽天など)に出品して
同時販売していくことを言います。
Amazonで売れれば通常のFBA発送を行い
他販路で売れたら「マルチチャネルサービス」を
利用して他販路のお客様に直接商品を届けます。
「どのタイミングで併売を検討すればいい?」
という相談を受けますが
月商100万円を超えたら検討する
で良いと考えています。
それは「リスク」と「コスト(お金・手間)」との バランスを考えた時の1つの参考基準としてもらえればと思います。
併売先にはどんな販路があるか?
下の図は「EC業界カオスマップ2021」を引用してきたものです
ここの中にあるECサイトを見ると どこを併売先に選んだらいいのか?
と悩む事になります、、
併売先が多いほど、販売できる確率と販売速度は
上がりますが、アカウント管理の手間も増えてしまいます。
なので次の章でAmazonセラーが
2つ目の販路(併売先)として選ぶべき
ECサイトと理由について説明していきます
2つ目として選ぶお勧め販路は?
ずばりYahoo!ショッピングです!
Yahoo!ショッピングを2つ目の販路として選ぶ理由
Yahoo!ショッピングをお勧めする理由は
- 出品手数料が0円!
- 月額利用料が0円!
- 販売手数料が安い(約6.5%)
- Amazonで家電カテゴリは10%(▲3.5%)
- 粗利率が3.5%アップする(販売手数料差益)
- 売上入金回数が最大8回/月
- 4日に1回入金ペース(資金繰りが良くなる)
- LINEやメールなど顧客リストを得れる
- ブッシュ型営業ができる
併売のメリット
ここまで解説してきた中でも
登場した併売のメリットについてまとめると
- 資金繰りが良くなる(回転率があがる)
- 利益率があがる(手数料差益)
- リピート客を得られる(ショップ型モールの場合)
- アカウント停止での保留金リスクを下げれる(売上分散)
- ライバルに売れ行き商品がばれない
となります。
ただ、併売にはデメリットもあります。
併売のデメリット
その併売のデメリットは出品や在庫管理
受発注対応に手間と時間がかかるという事です
- 販路ごとに出品の手間がかかる(1商品5~10分)
- 在庫管理の手間がかかる(出品取下げ)(1日30分)
- 価格調整の手間がかかる(1日30分)
- 受注発送連絡などの手間がかかる(1商品5~10分)
- 販路ごとに問合せ対応が必要(1日15分)
併売のメリットは理解できても
これだと中々始めるをためらってしまいます。
併売のデメリットへの対策
このデメリットへに対して
大きく2つの対策を紹介します
デメリットへの対策①:外注化・スタッフ化
1つ目は「外注化・スタッフ化」になります
いわば「他力マンパワー」でどうにかする作戦です。
- 併売先への出品
- 在庫管理
- 価格改定
- 問合せ対応
をスタッフに行ってもらうものです。
ただ、この方法だと作業工数(時間)分の
人件費がかかってきます、、
月100個の商品を併売した時の
概算金額を計算してみると
- 概算費用(月100商品の場合)
- 外注費:42,500円/月
- 自分で作業:212,500円/月
- ※外注費:時給600円、自分:時給3000円で計算
とかなりのコストです、、
その他にも人力で作業を仕組化する場合の
デメリットとして考えられるのが
- 教育コスト
- 管理コスト
- 退職リスク
になります。
人力の良いところも沢山あるのですが
初めての併売で選ぶにはしんどい選択ですね。
デメリットへの対策②:併売ツール利用
2つ目は併売ツールを利用することです
併売ツールでは併売に必要な作業を
24時間365日行ってくれます
- 一括出品
- 一括画像登録
- 在庫管理
- 価格調整
- 手数料集計
- 推定値
- 実測値(1商品ごと)
- 自動発送対応
- マルチチャネル発送依頼
- Yahoo!ショッピング購入者通知
- 併売先
- Yahoo!ショッピング
- 楽天
併売ツール・一元管理システムの種類とポジション
ではどんな併売ツールがあるのかご紹介します
併売ツールや一元管理システムは世の中に
大小20種類以上あります
上の図は横軸を「機能の拡張性」で
会社毎の利用シーンに応じて色んな改造できるかの度合い
縦軸は毎月のシステムの利用料(上に行くほど高い)
でポジションを示しています。
右上に行くほど上級者向け(年商10億以上など)
の法人が複数モールや複数倉庫(自社倉庫含む)と
在庫連携したり受発注管理を行う場合に
利用するようなシステムです。
ただ、Amazon販売から開始して
初めての併売を手間をかけずに始めたい人には
「月額利用料が高い」
「システムの内容が複雑すぎて覚えるのが大変」
など過剰装備になったりします。
そのため、図の赤車線部のように
「安価」で「簡単」に取組める領域の
併売ツールが必要になってきます。
Amazonセラーが初めての併売で必要とするもの
主にAmazonのFBAを使って販売しているセラーで
初めて併売に取組む時に必要とするものは何といっても
- 料金負担が低いもの(安く始めれる)
- 操作が簡単でシンプル
- 併売の出品や在庫管理など手間がかからない
の3つです。
リスクやメリットが理解できて併売に
取組もうと思っても覚えることが沢山で
操作も難しく(機能が多すぎる)月額料金も
高いと始めたくても始められません、、
なので「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも
初めての併売ツール選びはとても重要です。
各レベル別のお勧め併売ツール
初めての併売向けの併売ツールはこちら
中級者向けの併売ツールはこちら
上級者向けの併売ツールはこちら